火災のリスクを下げるIHクッキングヒーター

こんにちは。自分たちでできることは自分たちでやってできるだけコストは抑えながら、少しでも快適でおしゃれな住環境にしたい!と日々考えている主婦あづさです。

リフォームやその他おうちのことを考えている皆さんのお役に立てるような記事を主婦目線でどんどん発信していきたいと思います。

 

先日、近所でふた棟が全焼する割と大きな火災がありました。幸い人的被害はなかったのですが、同じ校区内での出来事でしたので、ママ友たちから生々しい話を聞きました。「カーテンの外が赤かったからパトカーでも止まってるのかな?と思ってカーテン明けたら、炎が見えたので驚いた。」とか「うちは大通りを挟んでいたのだけれど火の粉の舞いがすごくて、こっちにも飛び火するんじゃないかと怖かった。」とか…。わたしはこれまで火事を間近で見たことはないのですが、BBQのときに少し炎が高く上がるだけでも怖さを感じるので、火の威力ってすごいんだろうなと思います。

そもそも住宅火災はどのような原因で起こっているのでしょうか?

パッと思いつくのがたばこの不始末や、コンロからの出火ですよね。実際のデータでもその通りで上位3つの要因は、たばこ・コンロ・放火、なのだそうです。

ちなみに20020年東京消防庁管内で起こった住宅火災の出火原因ではもっとも多かったのがコンロ

実は家の建て替えを検討する際、コンロは火力が強そうだし、安そうだし、ガスの方がいいかな?などと簡単に考えていたのですが、そろそろわたし達夫婦も老境を想定したほうがいいかもしれない年齢ですし、娘も一人で簡単な調理をしたりする年ごろになってきますので、火災のリスクも考えてコンロ選びをする必要があると思い改めて調べてみました。

2020年火災発生状況(東京消防庁管内)

東京消防庁のサイトによると、2020年中、住宅火災の出火原因で多いのがコンロで411件(26.5%)ついでタバコが201件(13.0%)、3番目が放火で144件(9.3%)だそうです。特に、コンロ火災は、前年と比べ67件も増加してるそう。

その理由は新型コロナウイルス感染症の影響で、自宅にいる時間が長くなったことと、外食の機会が減ったことによりコンロを使う機会が増えたことではないかと考えられています。またこのコンロの火災のうちガスコンロの火災は384件で、なんとコンロが原因の火災全体の93.4%を占めています。

この数字を見ると、自宅ももちろんですが、未だガスコンロを使っている母のこともとても心配になりました。

コンロが原因の火災のケース

株式会社ウェザーニューズの記事によると、2019年のコンロが原因の火災の発生状況は以下の通り。

1位:「放置する・忘れる」37.5%

2位:「可燃物が接触する」17.4%

3位:「誤ってスイッチが入る」9.6%

4位:「接炎する」8.7%

5位:「過熱する」7.8%

6位:「考え違いにより使用を誤る」7.0%

7位:「引火する」5.2%

「接触する」「接炎する」「引火する」の違いが紛らわしいのですが、

  • 近くに置いたまな板が倒れて、コンロの火がついたら「接触する」
  • コンロの火が鍋の底を這って、近くのまな板に直接火が当たって出火したら「接炎する」
  • コンロの近くでスプレーを噴射して火がついたら「引火する」

という違いがあるそうです。

全てのケースで炎がきっかけであることが多く、このためガスコンロがコンロ火災の9割以上を占めるんだな、と納得です。なぜならIHクッキングヒーターは電磁誘導加熱という方式で、トッププレート上の鍋などの調理具に直接熱を持たせるので、火が出ることはないためです。

IHクッキングヒーターだと火事は起こらないの?

IHクッキングヒーターは 電磁誘導加熱という方式で、鍋などの調理具をあたためて調理を行ないます。そのため、鍋などが乗っていない状態でトッププレートが熱を持つことはありません。ただし熱くなった鍋の熱がトッププレートにも移りますので、調理後鍋を外した状態のトッププレートに触れるとやけどなどをする場合もあります。こういった面では目に見える「炎」がないため操作法やコンロの状態確認法を把握しておく必要があると言えます。

またまれにIHクッキングヒーターでも火災が起こるケースがあり、事例をもとに実験なども行なわれていますが、事故に至った多くの場合は、規定と異なる量の油を加熱したり、禁止されている変形した鍋を使用したり、コンロと鍋の間に可燃物を挟み鍋を浮かせて使用したりと、想定外の使い方をしていることが原因のようです。

このことからもIHクッキングヒーターを導入する際はまずその使用方法をしっかりマスターすることが大事だとわかりますね!

ガスコンロからIHクッキングヒーターへ交換するメリット

ガスコンロからIHクッキングヒーターへ交換すると、次のようなメリットが考えられます。

①安全性が高い

これまでに書いてきた通り、IHクッキングヒーターは火を使わないため、安全性が高いです。機種によっては、安全機能や自動OFF機能などが付いているものがありますし、チャイルドロックが付いているものもあります。

②お手入れがしやすい

IHクッキングヒーターは、ゴトクがなく天板がフラットですので、お手入れがとても楽です。焦げ付きがしにくく、油などが飛び散ることも少ないため、汚れにくいのも特長です。

③火力が強い場合が多い

この点は、わたしにとっては「目からウロコ」だったのですが、実はIHクッキングヒーターは、ガスコンロと比べて火力が強いものが多く、加熱が早いのが特徴で、火力を必要とする料理を作るのに向いています。

④調理熱が気温に影響しにくい

鍋底が接地面に密着して熱が伝わりやすく逃げにくいことから、熱効率が約90パーセントと高く、夏場など調理中に部屋が暑くなりにくいです。

⑤ガス漏れ・中毒の心配がない

IHクッキングヒーターは電気による熱であるため、有毒なガスが漏れる心配はありません。また火を燃やさないので二酸化炭素も発生せず、空気をきれいに保てます。

ガスコンロからIHクッキングヒーターへ交換するデメリット

これだけだと「メリットばっかり!」という気がしちゃいますが、もちろん多少のデメリットもあります。まず一つ目はすべての調理具が使えるわけではないという点。たとえば土鍋などは基本的に使用できません。そしてコンロから調理具を離して使用することができないため、たとえばチャーハンの「あおり」などはできません。最後に、ガスコンロから交換して初めてIHクッキングヒーターを使うケースなどでは特にIHクッキングヒーターの特性を良く知り、使い方をきちんと把握する必要があるということです。使用方法を正しく守らないと、思わぬ事故につながる可能性がありますので、気を付けてください。

また本体価格がガスコンロより多少高めになることが多いのも気を付けておきたいポイントのひとつです。

ガスコンロからIHクッキングヒーターへ交換の費用

ガスコンロを使用していたご家庭で、IHクッキングヒーターにリフォームする場合、工事費は5万円前後になります。このためIH本体+工事費の合計金額は9~25万円程度になる場合が多いでしょう。IHクッキングヒーターを使うためには200Vの電源が必要になりますが、これが設置されていない場合は電源の増設工事も発生します。

ただガスコンロの寿命が近く、あたらしいガスコンロへの交換をお考えの場合、ガスコンロ→ガスコンロの工事費用は2万円前後で、商品代金込みの場合4~18万円程度かかりますので、ガスコンロ→IHクッキングヒーターの場合との差は5万円程度でしょうか・・・。いずれにしても交換のタイミングが近いのであれば、安全でお手入れが楽になるIHクッキングヒーターへの交換も検討してみて良いのではないでしょうか?

贈り物にもいいかも?!

一人暮らしや、ご夫婦暮らしのお父さまお母さまへの贈り物として、ガスコンロからIHクッキングヒーターへの交換を検討する介護世代(介護を行なう世代)の方も増えていると聞きます。たしかに少し高価なプレゼントではありますが、ご家族の安全と、ご自身の安心を思えば、素敵な考えかもしれません。

わたしもさっそく母にも希望を訊いてみようかな、と思います。

棟梁ドットコムのIHコンロページ